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相続Q&A

財産分与

■Question

相続の財産分与って、みなさん平和的に解決しているのでしょうか?

■Answer

家庭裁判所が発表している司法統計年報平成19年によれば、家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は12,000件を超えました。既に、遺産をめぐる骨肉の争いは珍しいものでは無くなっています。
   12,000件÷365日=33件/日  
単純計算ですが、毎日33件が家庭裁判所に持ち込まれています。

裁判上の紛争に発展してしまう理由は様々ですが、遺産分割の話し合いに第三者(相続の専門家)に入ってもらうことで、公平かつ冷静に話し合いが進められるという効果が期待できると言えます。

■Question

 相続をめぐるトラブルは無いのですが、遺産分割協議書の作成だけをお願いする事はできますか?

■Answer

勿論対応可能です。必要な手続き書類の収集、作成はお任せ下さい。多くの方からは、トラブルになる前にご相談を頂いております。

 

不安に思う事、心配になっている事、心に引っかかっている事など、なんでもお聞きください。
ご希望に応じて、自動車の廃車手続きや名義変更手続きなども承っております。

■Question

いわゆる「形見分け」も、相続になりますか?

 

■Answer

「形見分け」とは、亡くなった方が生前愛用していた身の回りの品々を、身内や友人・知人に分け与えるという”風習”を指しており、故人を偲ぶ意味合いで行われているものです。

 

極端に高額な物品が扱われるケースは別として、常識的な範囲での形見分けについては、相続財産の処分とは言えないと受け止めて良いと思われます。

■Question

財産分与すべき兄弟のうち、一人は十数年来、音信不通で行方不明です。それでも遺産の一部を相続させなければなりませんか?

 

■Answer

相続人の一部が行方不明という理由であっても、遺産分割協議から除くことはできません。この場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申立てます。


選任された財産管理人が行方不明である相続人に代わって遺産分割協議をすることになります。ただし、不在者財産管理人が遺産分割協議をするには、家庭裁判所に「権限外行為許可申立」をし、許可を得ておく必要があります。申立てる際は、遺産分割案を示します。

■Question

夫の死亡後、妻は借家に住み続けられますか?

 

■Answer

住み続けられます。
賃借権も、遺産相続の対象となります。相続であって、賃貸借の譲渡ではありませんから、貸主は借主の法定相続人が相続する事を拒めません。

後日のトラブルを避けるためにも、賃借物件の貸主(大家さん)と被相続人(死亡した夫)が結んだ賃貸借契約の名義を妻名義に書き換えてもらう事をお勧めしています。

相続税

■Question

相続税って、何%くらい払わなければなりませんか?

■Answer

一定額以上を相続すると、相続税が課されます。ただし、基礎控除額を超えた場合に限ります。
   基礎控除額=3000万円+600万円x法定相続人の数
その他、配偶者の場合、1億6000万円まで控除が認められています。

実際に相続税が課されるのは、年間の全国総数のうち、わずかに4%程です。基礎控除額を超えると、法定相続人の取得金額が1000万円以下で10%、1000万円を超え3000万円以下で15%といった具合に、累進性になっています。今後の法律改正に、ご注意ください

■Question

相続税の支払い期限はありますか?

■Answer

相続開始から、10ケ月後には相続税を”納付”しなければなりません。遺産分割協議で揉めてしまいますと、申告期限を守れなくなってしまいます。
 

その場合、相続人は法定相続分に応じた加算税と延滞税を支払わなければなりません。当事務所では、相続税に関する算出・相談は税理士に委任していますので、ご安心ください。

 

■Question

相続税の納め方を教えて下さい

 

■Answer

原則は、現金一括納付です。しかしながら、不動産の占める割合が高い場合など、現金での一括払いが困難な事もあります。

生命保険

■Question

生命保険も、相続に含まれますか?

■Answer

生命保険の受取人が誰かによって、相続財産かどうかが分かれます。

1.被相続人が自分だけを受取人として契約していた場合
相続財産となります。従って、相続放棄をした場合には、保険金は受け取れません。
また、相続人に対して、相続分に応じて分割されます。

2.特定の人を受取人として契約していた場合
生命保険金は死亡した者の財産ではなく、受取人固有の財産と解され、相続財産には含まれません。
従って例え相続放棄をしたとしても、生命保険金の受け取りに関しては何ら影響を及ぼしません。

3.受取人を「相続人」として契約していた場合
特定の人を受取人として契約していた場合同様、相続財産には含まれません。
相続人に対して、相続分に応じて分割されます。

■Question

生命保険金を受け取った場合、税金の申告が必要ですか?

 

■Answer

生命保険金は、保険料負担者が誰で、保険金を受け取ったのが誰かによって、相続税、所得税、贈与税の対象となります。どういったケースの場合にどの税の対象となるのかは、複雑な判断を要します。

相続税の対象となる場合、法定相続人一人当たり500万円迄が非課税となります。
従って、法定相続人が4人の場合には、2000万円までは非課税です。

借金・保証人

■Question

親に借金がありました。
親の借金の返済など、今の自分たちには到底不可能です。どうしたら良いでしょうか?

■Answer

法律上、相続人と定められた者も、相続を強制される訳ではありません。相続を放棄する事由も、有しています。相続を放棄すると、相続が発生した時点に遡って相続人とはなりません。

 

従って借金返済を迫られても、返済する義務を負いません。相続を放棄するには、相続開始を知ったときから三箇月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。


この期間を経過すると、単純承認(被相続人が相続人の権利義務を全面的に承継する)したものとみなされ、借金返済の義務が生じます。

■Question

先日死亡した父が、A氏の保証人となっていました。
相続人のうちの誰かが、引き続き保証人を務めなければなりませんか?

 

■Answer

”保証”の内容によって、結果は正反対なものとなります。

具体的な借金の額が確定している債務の保証人である場合には、相続人が相続をするとその債務の保証人たる地位も引き継ぐこととなります。この場合、相続人は、保証人を務めなければなりません。

具体的な借金の額が確定していない基本的な身元保証や、保証期間の定めのない保証については、被相続人の一身に専属する権利義務として、相続性を有しません。この場合、相続人は、保証人を務める必要はありません。

養子縁組

■Question

結婚する際、妻の両親と養子縁組をしました。実家の親の遺産分割には参加できないのでしょうか?

■Answer

養子縁組をしようとも親子関係が絶たれる訳ではありません。他の兄弟姉妹と同様に、実家の親の遺産分割に参加することができます。
特別養子縁組の場合には、実父母の相続権はありません。

■Question

こどものいない叔父から、私(甥)と養子縁組をして、土地・建物を相続させたい旨の話がありました。
ところが、叔父の兄から「養子縁組は絶対に認めない」と言われています。どうしたら良いでしょうか?

 

■Answer

養子となる者が成人している場合、養親となる者および養子となる者の合意によって養子縁組をすることができます。その場合、相続に関しては、叔父の養子が第一順位となります。

仮に養子縁組を行わない場合、叔父にはこどもがありませんので、叔父の両親が既に他界している場合には、叔父の兄弟姉妹が相続人となります。
従って、叔父の兄の立場から見ると、養子縁組を阻止すれば相続人となりますし、養子縁組が成立すれば相続人たる地位を失うこととなります。

いずれにせよ、叔父の気持ちを最優先に検討すべきと思いますが、如何でしょうか。

内縁関係

■Question

内縁の妻ですが、相続権は全くないのでしょうか?

■Answer

内縁の妻には、相続権はありません。
民法は、婚姻について法律婚主義をとっていますので、相続権は本妻(法律婚上の妻)と子にあります。
稀ですが、内縁の夫に相続人がいない場合、内縁の妻が特別縁故者として相続を認められる場合があります。この場合には、家庭裁判所への申立てが必要です。

しかし、近年では内縁関係を法律上の夫婦に準ずる関係、即ち「準婚」として保護するようになってきています。ただし、同棲や愛人関係は含まれません。
国民(厚生)年金や社会保険等について、内縁関係にある者も認められるようになっています。

■Question

内縁の妻の子には、相続権が生じますか?

 

■Answer

認知されていない限り、相続権は生じません。

■Question

亡くなった夫が、内縁の妻の子(認知済)に対して養育費を払っていました。
今後は、相続をした私が、養育費の支払いをしなければならないのでしょうか?

 

■Answer

支払う必要はありません。
養育費の支払い義務は、夫の一身に専属しているものであって、相続の対象とはなりません。
従って、夫の死亡により内縁の妻の子に対する養育費の支払い義務も消滅しますので、相続人が支払う義務は負いません。

遺言と相続

■Question

家業を継いでいる長男に、多めに相続させたい。どのような方法がありますか?

■Answer

代表的な例として、遺言による方法と、生前贈与による方法を紹介します。

1 遺言
長男に多めに相続させる旨の遺言を作成します。遺言は要式行為の為、法の定める要件に合致していないと無効となるので、注意が必要です。
他の相続人の遺留分を侵害した場合、他の相続人から遺留分減殺請求権を行使されると、かならずしも遺言の通りに実行されるとは限りませんので、予め配慮が必要です。

2 生前贈与
贈与する側と貰い受ける側の意思の合致で成立する為、第三者からの横やりをうけるリスクは小さくなります。反面、贈与税は高額となります。一方で、相続時課税清算制度などの税法上の制度も用意されており、検討の余地はあります。

■Question

農地を、後継者(長男)に譲りたい。預貯金は少ないので、兄弟には相続放棄をして貰いたい。

 

■Answer

不動産以外に目立った財産が無い場合、相続人である兄弟から遺留分を主張されてしまいますと、不動産を処分して現金に換価せざるを得なくなり、結果的に農業を承継することができなくなってしまいます。
近年、こうした事態を避けるため、農地の相続は後継者への生前贈与が多くなっています。

贈与税は高額ですが、そもそも農地の課税評価額は極めて低いため、問題になる事はほとんどありません。
加えて、納税については贈与者の死亡の日まで猶予するという特別処置も用意されています。

■Question

個人商店を、跡取りに託したい。

 

■Answer

個人商店や個人企業の場合、相続によって資産が散逸したために、事業そのものの継続が困難になってしまう事は少なくありません。
しかし、相続人に遺留分減殺請求権を行使されてしまうと、妨げる手立てがありません。
この場合、遺留分を侵害する分について、跡取りが他の相続人に対して現金で分割払いする方法があります。

また、商店を株式会社化し、その株式を相続させるという方法もあります。
会社化および相続について、一括してサポートすることができますので、ご相談ください。

■Question

同居している弟夫婦の嫁にも、財産を残してやりたい。
長男は、“弟の嫁は法定相続人では無い”と言って反対しているが、何か良い方法はありませんか?

 

■Answer

確かに、弟の嫁は法定相続人ではありません。
弟の嫁に遺産を残す為には、まず、遺言による遺産分割が考えられます。しかしながら、長男が反対をしていますので、相続の発生後、遺産分割をめぐって争いとなる恐れが高いと言えます。

遺言の他には、二男の嫁と養子縁組をするという方法が考えられます。
養子縁組をすることでこどもは三人となり、法定相続分も各自三分の一となります。
結果として、同居している弟夫婦に対して、多めに財産を残してあげられることになります。
ただし、養子縁組については、弟の嫁の気持ちを第一に考えてあげて下さい。

■Question

病気療養の世話をしてくれている長男の嫁にも、財産を分け与えたい。
どうしたら良いでしょうか?

 

■Answer

法定相続分は、被相続人と相続人間の一切の事情を考慮していません。その為、相続人間で不公平感によるトラブルの発端となりかねません。
財産の維持や増加に特別の貢献をした事情などがある場合、”寄与分”を認めることで、他の相続人との公平を保ちます。
病気療養の世話をした長男の嫁によって、付添い人等の費用の支出を免れ、結果として財産が維持されている訳ですから、寄与分を認めるのが一般的です。
ただし、長男の嫁たる地位では相続権はありませんので、後々の相続紛争を回避する為には、遺言による意思表示が極めて重要となります。

■Question

私たち夫婦には子供がいません。私の両親はとうに無くなっていますが、弟が一人います。
先日、「相続分は貰うよ!」と冗談ともいえない事を口走っていました。弟に相続分があるのでしょうか?

 

■Answer

あります。
御夫婦に子がおらず、且つ、両親もいない場合、相続人は配偶者と兄弟姉妹となります。
この場合、法定相続分として、配偶者が四分の三、弟が四分の一となります。

もっとも、全財産を配偶者に残したい場合には、遺言により解決できます。
兄弟姉妹には遺留分減殺請求権はありませんので、心配はいりません。

離婚と相続

■Question

前婚の連れ子と再婚後の子では、相続分が異なると聞きました。
どういうことでしょうか?

■Answer

前婚の連れ子が認知されていない場合、相続権はありません。
民法では、非嫡出子(前婚の連れ子)は嫡出子(再婚後の子)の相続分の二分の一としています。

この民法の規定には賛否あるものの、「民法が法律婚主義を採用している以上、生まれた子に区別が生じてもやむを得ないところで、規定は、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整を図ったもの」(最高裁H7.7.5 )と判断されています。

■Question

養育費を貰っていた元夫が、事故で死亡しました。元夫は再婚しているのですが、再婚妻へ支払い請求したところ拒否されました。どのようにしたら、支払ってもらえますか?

 

■Answer

元夫の死亡により、元夫の養育費支払い義務は消滅します。養育費支払い義務は、元夫の一身に専属しているものであって、相続対象とはなりません。従って、再婚妻へ相続されませんので、あなたの請求に応じることは無いでしょう。

こどもは父の相続人になりますので、再婚妻と協議されることをお勧めします。負の財産(借金)の方が多い場合には、相続放棄することができます

■Question

再婚した夫が亡くなりました。その後、夫の前妻が現れて、夫と前妻との間の子どもの養育費の支払いが滞っているので払ってほしいと言ってきました。夫は亡くなってしまったのですが、替わりに私が支払わなければならないのでしょうか?

 

■Answer

個御主人と前妻との間で交わされた離婚協議書は、契約です。そして、御主人が亡くなった時点でこの契約は終了しています。従って、奥様は、養育費を支払う義務はありません。

更に、養育費や慰謝料は一身専属的(特定の人のみに専属し、他の人へは移転できない)ですので、相続することはできません。
例え、奥様が御主人の相続人であったとしても、相続できない内容である以上、何も相続していない事になります。従って、奥様は、前妻のこどもへの養育費支払い請求に応じる義務を負いません。

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